歯ぎしり・食いしばり
最近は歯ぎしりを悩みに受診される方が多いようです。
自覚されている方もいますが、お口の中を診査して初めて気づく方もたくさんいらっしゃいます。
歯ぎしりは夜間に無意識に行っていることが多く、なかなか気づきにくいものです。
そして歯ぎしりはただギリギリしているということが問題なのではなく、実はきちんと管理していくことが大切なのです。
私たちはお口の中の安定を評価する際に大きく3つのリスクを評価します。
「むしば」「歯周病」は皆さん良くご存知かもしれませんが3つ目、「力」というものがあるのです。「力」のリスクは実はとても大きなもので、いかにきれいな状態を保っていても歯が欠けたり、割れたり、揺れたりといったことをを引き起こし、抜歯に至るケースも少なくはないのです。
まずはご自身の「力のリスク」をチェックしてみましょう。
・朝起きた時に歯が浮いた感じがする。
・筋肉がこわばった感じがする。
・家族に夜間、ギリギリと音を立てている、頬の筋肉に力が入っていると指摘された。
・全体的に歯がしみやすい
・上下の歯が直線的に摩耗している。
・歯の根元が多数歯にわたって欠けている。
・歯にクラック(ヒビ)が入っている。
・スポーツやトレーニングで食いしばることがある。
・仕事や趣味で集中すると、つい食いしばっている
このような事が思い当たったり、診査で見受けられたりした場合は適切に「力のコントロール」を行っていく必要があります。
起きている間に歯ぎしり・食いしばりをしている方が行える方法です。
まず、自分がくしばったりしていないかを「認識」してみましょう。
意外と仕事中など集中しているときにぐっと噛んでしまったりしています。それをまずは意識することです。そして自分が食いしばっていたと思ったら「上下の歯を離す」をしてみましょう。ひたすらこれを繰り返します。繰り返すことによって無意識の行動を意識化にコントロールすることが出来ていきます。
また、上下の歯は咬みこんでいなくても接しているだけでも筋肉が緊張を起こします。食事以外は上下の歯が触れていないのが正常です。
ぜひご自身でチェック、コントロールしてみてください。
認知行動療法でもコントロールが難しかったり、睡眠時にしてしまっている場合はマウスピースが有効です。「ナイトガード」と呼んでいます。
薄い柔らかいシートを歯型に圧接して作ります。夜間に装着し、もし力がかかったとしてもそれがクッションになり力を和らげてくれます。状況により硬いシートにしたり、プラスチックで作ったりもします。非常に簡便な方法ですし、効果も高いのでお悩みの方は一度ご相談ください。(保険治療 2,400円程度(3割))
スポーツやトレーニング用は保険適応外になりますが、しっかりとした厚みがあり強い衝撃から歯を守ってくれます。カラーバリエーションも豊富でスタイリッシュです。(12,000円~)
いずれも歯形を取ってカスタムで作成しますので、市販の熱形成のものでうまく行かなかった方にはお勧めです。